お宮参りって厳格?本来と現代のお宮参りとの違い、祝い金の相場も解説

この記事では、本来のお宮参りと現代のお宮参りの違いについて解説しています。また、お祝い金の相場やマナーについても解説しています。

赤ちゃんの行事「お宮参り」が、本来の行事と違ったものになっていることはご存知でしょうか。近年、そうした現状を知る人が少なく、祖父母ともめてしまうケースもあるようです。そこで今回は「本来のお宮参り」と「現代のお宮参り」を比較し解説していきます。また「お祝い金の相場」についても紹介していきます。

本来のお宮参りと現代のお宮参り

近年、本来のお宮参りと現代のお宮参りでは異なった点がいくつかあるため、祖父母と認識がずれ、もめるケースが多々あるようです。そのためここでは
・本来のお宮参り
・現代のお宮参り
それぞれについて解説していきます。

本来のお宮参り

本来のお宮参りでは、しきたりのようなものがいくつか存在します。それが
・産土神社(うぶすなじんじゃ)へ参拝すること
・赤ちゃんのお母さんは参加しないこと
などです。これには地域差があるため、少し意味合いが変わったり、加えられたりすることもあります。

近年「お宮参りはお寺などでも大丈夫」という風潮がありますが、本来お宮参りとは「産土神社」と呼ばれる土地神様のいる神社へ参拝するものです。この産土神は宗教とは関係ないとされており、仏教徒の方やキリスト教徒の方でも参拝ができると言われています。

そして、本来のお宮参りでは「お母さん」の参加はNGとされています。また、母方の祖父母も参加せず、父方の祖父も本来参加しません。そのため
・赤ちゃん
・赤ちゃんのお父さん
・父方の祖母
以上の3人での参拝が基本でした。

昔は「お産が穢れに通ずる」という考え方があったため、自宅にこもって穢れが落ちるのを待つ文化が存在しました。そのため、祖父母が厳格な方である場合、もめることもあるようです。

今では「お宮参りは記念行事」という感覚が強いため、ほとんど気にする方はいませんが、一部厳格な地域などもあるため、注意してください。

現代のお宮参り

現代のお宮参りは、ご存知の通りお祝いの席となっています。昔のように、厳格なルールもなく、赤ちゃんの両親が中心となりお祝いします。そのため「祖父母もお祝い役に徹する」というケースが主流です。

しかし、近年では
・写真だけでお宮参りを済ます
・そもそもお宮参りをしない
といったケースも増えており、家族によってその形態は様々です。また「祖父母が離婚してしまっている」というケースも増えているため、全く話に挙がらないこともあるようです。

お宮参りのお祝い金相場

お宮参りでは「お祝い金を渡す慣習」があることをご存知でしょうか。このお祝い金にも相場があり、関係性によっても変わります。ここでは、そんなお祝い金の相場を
・祖父母が贈る場合の相場
・兄弟などが贈る場合の相場
以上の2つに分け解説していきます。

祖父母が贈る場合の相場

祖父母が贈る場合、その相場は約5000円〜1万円されています。このお祝い金の目的ですが、
「お宮参りにかかる費用の援助」です。そのため
・お祝い金の代わりに初穂料(祈祷料)の負担をする
・お祝い金の代わりに着物をレンタルする
・お祝い金の代わりに食事会の費用を負担する
などの形をとることもあります。

よくある勘違いが「結婚の祝儀のようなもの」という勘違いです。もちろんそうした「贈答目的」で贈ることもありますが、多くの場合あくまで「費用負担が目的」ということに注意してください。

また、この費用負担は両家でバランスをとるようにしてください。なぜなら、片方の家がやりすぎてしまうと、それが嫌味に映る可能性もあるからです。そのため、両家の祖父母で話し合って決めるのがおすすめです。

兄弟などが贈る場合の相場

多くの場合、赤ちゃんの両親の兄弟や姉妹がお祝い金を贈るケースはありません。しかし例外も存在し、お宮参りや会食などに参加するといった場合、お祝い金を持っていくのが望ましいとされています。この場合のお祝い金相場は3000〜5000円です。

また、友人が贈る場合もかなりレアケースで存在しますが、とても親しい間柄の時だけにしましょう。お祝い金は3000円程度にしておくのがおすすめです。また、兄弟や姉妹、友人が何かを贈る場合には「何か物をあげる」というのもおすすめです。

よくあるのは
・赤ちゃん用の洋服をあげる
・赤ちゃんのおもちゃをあげる
といったものです。あまり高価なものでない方が良いので、贈り物の価格には充分注意してください。

お祝い金を渡す際のマナー

お祝い金を渡す際には、マナーが存在します。それが「お祝い金はのし袋に入れて渡す」というものです。

のし袋とはお祝いの際によく用いられる「蝶結びのついた紅白色の水引のもの」です。蝶結びは縁起物であり「何度ほどけても結び直せる」という性質から「何度でも繰り返せる」という意味で使われています。

そのため
・結婚祝い
・出産祝い
・お宮参り
といったお祝いの席で利用されています。

表書きの上段部分には
・お祝い
・祝御宮参
・祝初宮参
と書くのが一般的です。上段が書けたら、下段には贈り主の名前を記入します。これはマナーであり、決まり事であるため、遵守するようにしてください。

お宮参りのお祝い「紐銭」

上記ではお宮参りでの贈り物として、お祝い金を贈るという話をしてきましたが、この贈り物の風習に「紐銭」というものがあります。これは、大阪を中心とした「関西のお宮参り」における風習です。それでは「紐銭」について紹介していきます。

紐銭のルーツ
昔のお宮参りには、赤ちゃんをお披露目するという目的もあり「近所の方や親戚へあいさつ回りを行う」という風習が存在していました。この時できた風習が「紐銭」です。紐銭は本来、あいさつされた人から贈られるもので「お金に困らず過ごせますように」との願いが込められています。

贈る際に、麻ひもを通した5円玉や50円玉を「赤ちゃんの着ている祝い着に結ぶ」という風習ができ、これが紐銭のルーツとされています。この風習が時代の流れによって変わり、現代ではお祝い金を入れた祝儀袋を赤ちゃんの着物に結びつけるものとなっています。

お祝いの例
紐銭を始めとした「お祝いに際しての風習」というのは、地域差や家庭差が大きく似たように見えて、全く違うものも多いです。紐銭に似たような風習を挙げるならば、名古屋の風習です。名古屋の一部地域では「12か月間お金に困らず過ごせるように」と、麻ひもに5円を12枚くくり祝い着に結ぶ風習があります。

このようにお祝いの形にもいろいろありますので、ぜひ検討してみてください。

お宮参りのお祝い金や贈り物にお返しは必要か

お宮参りのお祝い金や贈り物へのお返しは、基本的に必要ありません。しかし、多くの方が「贈ってもらったら、何かお返しを」と考えてしまいがちです。

そんな時におすすめできるお礼方法が
・お宮参り後に会食を行うこと
・お宮参りの記念写真を贈ってあげること
などです。

お宮参りに参加する祖父母の目的の多くは「孫の顔を見ること」です。そのため、一緒にお祝いしたり、一生残る写真を贈られたりという方が喜ばれやすいです。お礼をする際にはぜひ参考にしてください。

まとめ

本来のお宮参りと現代のお宮参りとの違いや、祝い金の相場については、お分かりいただけたでしょうか。現代ではそこまで厳格さが求められていませんが、祝い金などに関しては相場やマナーがあるため、注意していただければと思います。